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side ‡ 瑠一
《オレ…今、○○駅》
『待ってろ、絡まれんなよ?』
携帯が着信を知らせたのは、日が沈んでからだった。
電話があれば直ぐに出られるように、簡単な仕事だけをこなしていた俺は、
デスクトップの電源を落とすと荷物を片手に部屋を後にした。
(しかし…………何で駅なんだ?)
引っかかりはしたが、取り敢えず駅へと車を走らせた。
学校最寄りの駅。
ロータリーを周り送迎用の一時的な駐車スペースに車を停める。
『で?……駅の何処だって?』
車を降りぐるりと見渡せば、駅の入り口の柱の陰にしゃがみ込んでる奴を見つけた。
迎えにいこうと踏み出した足を元の位置におろす。
ポケットから取りだした携帯で、一文を打ち送信する。
………と、視界に捕らえたままの藍がビクッと肩を震わせるのが、遠目にも確認できた。
(おもしれぇ………)
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