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「収まるところに収まったんだな?……良かった」 「あぁ、色々ありがとうな」 「っ、ラン、知ってたの ?! 」 うん。知ってたよ……だから何事もなく、思いを伝えあえる事を願ってた。 「ごめんな、……怖かったよな」 「ラン……」 「お前は悪くない」 そうじゃない。 わかるもん。 押さえつけられる痛みと恐怖。 それ、オレも知ってるから。 違うのは、相手が知らない男で複数な事。 それだけでも、オレが経験したものより、もっと、ずっと日和の方が……辛い。 なのに、2人は「いいんだ」と微笑んだ。 それどころか、「ありがとう」なんて言う。 「ラン、そういえばね、あの笛壊れてたよ?」 「あ、あの笛は……鳥笛なんだよ」 鳥が日和の居場所を知らせてくれたと告げれば、感心したように日和は言った。 「じゃぁ、助けてくれた鳥さんにも感謝しなきゃね?」 .
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