4743人が本棚に入れています
本棚に追加
「収まるところに収まったんだな?……良かった」
「あぁ、色々ありがとうな」
「っ、ラン、知ってたの ?! 」
うん。知ってたよ……だから何事もなく、思いを伝えあえる事を願ってた。
「ごめんな、……怖かったよな」
「ラン……」
「お前は悪くない」
そうじゃない。
わかるもん。
押さえつけられる痛みと恐怖。
それ、オレも知ってるから。
違うのは、相手が知らない男で複数な事。
それだけでも、オレが経験したものより、もっと、ずっと日和の方が……辛い。
なのに、2人は「いいんだ」と微笑んだ。
それどころか、「ありがとう」なんて言う。
「ラン、そういえばね、あの笛壊れてたよ?」
「あ、あの笛は……鳥笛なんだよ」
鳥が日和の居場所を知らせてくれたと告げれば、感心したように日和は言った。
「じゃぁ、助けてくれた鳥さんにも感謝しなきゃね?」
.
最初のコメントを投稿しよう!