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疲れてるだろうから、夕食までゆっくりして欲しくて一度部屋を出るつもりでいた。 それを引き留めたのは日和で……。 「でも、水入らずっていうから……」 「お前らしくないな」 「そおだよ、ラン」 邪魔じゃないのだろうか。仮にも結ばれたばかりのカップルなんだから。 普通なら、部外者はそんなカップルの空気の中には居辛くなるもの。 ……そうなんだけど、よく考えたらそうなる前から2人は甘々だったわけで。 その甘々具合が度を増しただけで、この2人はオレの居場所をちゃんと残してくれたのだ。 「もぉ、2人とも大好きだ!」 「ふふっ……いつものランに戻った」 「あぁ、その方がお前らしい」 強ばっていた顔の筋肉が解れて、自然な笑みが零れる。 .
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