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入り口である両開きの扉は開いていて、そこに立つと否が応でも視線が突き刺さる。 食器を乗せたトレーを落としそうになる奴や、 口に入れたつもりの食いもんを、皿の上に取りこぼす奴。 カシャーンと音がした方を見れば、フォークが誰かの手から滑り落ちていた。 (おぉい……) 「凄いね、……2人共」 と、他人事な日和。 「見られすぎだ、日和」 と、早速睨みを利かせる志貴。 「お前もかなりだぞ、志貴」 互いが他人事の様に言うのが可笑しい。 だけど、日和の他人事は何とかした方が良さそうだ。 何でこうも視られるのか、ホントにワカってるのか怪しいもんだ。 「なぁ志貴。先ずは身近なトコロから取り急ぎ危機管理が必要だな」 「「あぁ、まったくだ」」 (……ん?) 志貴の応えがダブって聞こえた気がした。 変だな……と志貴を見れば、視界に入る長身の男。 志貴の向こうに立つ白衣姿の雅紀センセが、「よぉ」と笑う。 直後、身体の右側に人の気配。 香りでワカる。 ( っ、なんで?!……瑠一っ?! ) 「……チッ」 よりにもよって何で今なんだと、周囲を見渡し舌打ちする。 .
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