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天使が何組なのかは判らない。
クラス分けの貼り出しを見たけど、判ったのは自分のクラスがB組だという事だけ。
「名前知らないんだし、判ってんのは見た目だけだし」
仕方がないから、取り敢えず自分のクラスに向かう。………と、
ザワザワザワザワ――…
後ろから聞こえたざわめきは、オレに向けられていた好奇の其れを遥かに上回るモノで…。
(一体なんだって……)
振り向いた格好のまま目を見開き固まった。
瞬間、あの日の瑠一の言葉が蘇る。
―― アレにそっくりなのが…
「マジ……?まんまじゃん…アレ」
ふわふわの金髪を惜しげもなく晒して、どう見ても女の子のような風貌の少年が、
オレと同じ様に十戒宜しく、真っ直ぐ前を見て歩いてきた。
遠目に見ても、彼が“天使”だという事は一目瞭然だ。
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