分岐点

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会話が無くなって暇だった俺は今朝の事を思い出しカバンをあさり手紙とケータイを出そうとしたが、 「おーし、今から体育館に移動するから、そろそろ並べ」 そう見知らぬ先生に言われたので出しかけた手紙とケータイをしまった。 そして、体育館に移動し特にハプニングが起こる訳でもなくスムーズに始業式が行われた。 もちろん、校長の長い話を俺が寝ていたのは言うまでも無い。 そして、始業式が終わり今は教室で担任が来るのを黒石さんと喋りながら待っている。 「ふぁ~あ、寝み~。担任の先生何してんだろ。」 「きっと、職員会議でもやってるんだよ。」 ちなみにうちはクラス替えは無いが担任は変わるという意味不明な学校なのだ。 「そんなもん、始業式の前にでもやっとけっての。」 「もう、あんたはちょっとは黙っときなさいよ。」 そう言って俺と黒石さんの会話に乱入してきた。 「うるせぇな、誰もお前となんか話してないだろ。俺は今黒石さんと話してんだよ。」 「あたしだった好きであんたなんかと話してるんじゃないわよ。」 「まぁまぁ、2人とも落ち着いて。」 「「黒石さん、(紗夜)は黙ってて。」」 と見事に加奈とはもってしまった。 「うぅぅぅ………」 しかもそのせいで黒石さん泣きそうだし。 「あ~ぁ、力也泣かせちゃったー」 と、そんな事をほざいてくる加奈 俺だけじゃねぇだろ!と叫びたくなったが今は黒石さんに謝るのが先だ。 加奈の相手なんていつでもできるしね。 「あっ、ちょっ、ご、ごめん黒石さんもう怒鳴らないから泣かないで。」 「うぅぅぅ、お、怒ってない?」 「怒ってない、怒ってない。」 「ホント?」 「ホントホント」 「なら、良かった。」 ほっ。 と、安心できた俺でした。 去年一緒のクラスだったからって新学期の一番最初に女の子泣かすなんて、これからの高校生ライフがぶっ潰れる所だったからね。
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