桜と共に舞い降りた天使

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「あ~眠っ。」 晴れ渡り空の下、両脇を桜が包む坂道を俺は歩く。 黒いサラサラの髪を風になびかせて、その薄い茶色の瞳は眠たさで少し虚げ。 真っ黒の学生服にズボン。 右手には瓶の牛乳を持ち、左手にはメロンパンを持ったまま歩いている俺…黒井 和斗。 坂道の上には俺が通う学校…桜坂高校がある。 その名前の由来は学校へと続くこの坂道。 毎年、終業式から始業式までは絶対に枯れる事無い桜。 新しく学校に入学する者達、学校を卒業する者達をずっと見守って来た桜咲くこの坂道から学校の名前が桜坂へなった…らしい。 去年の入学式、この桜に見守れながら初めて登校したな。 なんて、昔の事を回想しながら俺は桜坂高校の門を潜る。 門の向かいにグランドと第一校舎が有り、右には第二校舎。 左には体育館とプールがある桜坂高校。 綺麗な外観に汗を流しながら朝練をする野球部。 春休みを開けても去年と変わらない日常。 そんな事を気にもしない俺は第二校舎に向かって歩き続ける。 第二校舎は学生達の教室がある。 一階は三年、二階は二年、三回は一年となっている。 俺は今年で二年へと無事に上がった為、第二校舎の二階へ向かっていた。
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