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「見かけん制服だな。どこの生徒か知らんが……
誰の許可を得てうちの生徒に
ちょっかい出してんだ?」
「だから誤解ですって…………!!」
陽菜子の突っ込みと被せるように学ラン男が口を開く。
「……なんのことだ?
それよりも一つ聞きたいことがある………」
「質問してるのはオレの方だっつーの!」
男の頬を張り手で叩く岡理。
「お前はオレの質問に『ハイ』とだけ答ええりゃいいんだ!!」
「きゃっ…!!」
怯える陽菜子に吐き捨てるように
「おっと……これはけっして暴力じゃあないぞ?
単なる愛のムチだ。
しっかし、いかにも問題おこしそーな
極悪人面だな?」
勢いづいた岡理は学ラン男の角のような髪を掴む。
「ん?『ハイ』はどうした?
この、とんがり髪も教師に対する反抗心の表われなわけだ?
ホラ早く『ハイ』と言え!
そうだ!そんなに変わった髪形が好きならこれでどうだ?」
バシャッ ビチャビチャッ
ラーメンを男の頭に被せる岡理。
「じゃーーーーーン!!
即席ドレッドヘアの出来上がりーー!!
お前、いっそ不良やめてレゲエでもやりゃいーんじゃね?
プヒャハハハハハハ!!」
高らかに笑った。
ポタッポタポタ陽菜子は見兼ねて文句を飛ばす。
「せ……先生ひどーい!!
いくら教師だからってやっていいことと悪いことが…」
岡理は陽菜子を睨み、言葉を返す。
「うるせえっっ!!」
「こちとら、女房と子供に飯食わせるために、嫌々お前らみてぇなクソガキの指導してやってんだ!
わかるかーーー?
大人にはストレス発散が必要なんだよ!!」
そう叫びながら男へ突きを繰り出す。
「あーーーー超キモチEF,
ハァッハァハァッ…
プヒャハハ…
ハ……」
息切れでフラつき、突きを空振りながら男の後方に倒れ込む。
ギイ…ガラッ
岡理の真上からの妙な音に陽菜子、男、岡理が見上げる。
工事に使用されている鉄骨の束が崩れて岡理に降りかかっていた。
陽菜子、岡理は時間が一瞬止まったかのように固まった。
「あ……」
ゴォォォオオッ
ドッドド ドド ドドドッドッ
鉄骨の落ちた衝撃で煙がたちこめる。
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