1撃目 金剛晄現る!!

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陽菜子は目を疑う前に写メを収めた。 自分の体で数本の鉄筋から岡理を庇っていた。 両者傷ひとつなかった。 その時、男がなにかに気づいた。 同時に鉄骨を掴み、まるでダーツの如く陽菜子に向けて投げた。 「!!!」 ドギュッ それはもの凄い音で陽菜子の数センチ上、コンクリート塀に突き刺さった。 2度目の音が鳴った。 ガンッ 辺りは沈黙に包まれた。 「キャ… キャーーーッ 殺される~~~!! 沈黙の時を破り陽菜子は思いっきり走った。 コンクリートに突き刺さった鉄骨は鉄骨を受け止めていた。 つまり、陽菜子に倒れかかる鉄骨を男は鉄骨を突き刺し、止めたのだったが、 「? なんなんだ あの女は…」 陽菜子は明らかに何か勘違いしていた。 「ゴ…ゴホッ、」 岡理が力無く口を開く。 が、男は向きを換え歩きだす。 「つーか、あの状況、フツー逃げるよな? お前一人で逃げられたよな?」 岡理は続けた… 「それが、オレを助けるために鉄骨の雨の中を…!? ハハ…イカレてるぜ!! わ……わけわかんねぇよ。」 男は立ち止まり言い放った。 「あんたにも、家族がいるんだろう?」 「……………」 岡理は絶句し唖然とした。 ただその場でうつむいた。 「行く前に聞きたいことがある… この街で、首におかしな刺青(タトゥー)を入れた連中を見たことはあるか? 真紅の不死鳥が刻まれたデザインだ。」 「いや……ない…」 男は向きを換えてまた歩き出した。 「そうか……………じゃあな…」
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