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彼は人が寄り付かないこんな小さな控室で何をしているのか。
パラっとかすかに紙をめくる音から察するにメンバーやスタッフが乱れる騒がしい雑踏から離れ静かに読書に興じてるみたいだ。
静かな部屋で空いた時間で自由を楽しんでいる。
そんなところだろうか。
日々忙しい彼らだ。
そんな時間を持ちたくて、この部屋を訪れたとしてもおかしくはない。
一見、穏やかな時間。
――しかし、
部屋の中には何やら怪しい空気が漂っていた。
その怪しい雰囲気は何も彼だけが発しているものではない。
本来、室内に響くはずのない不規則な小さな水音が先ほどから室内を満たしている。
ピチョ…、ピチョ…と響く音。
加えて、ンン…っと小さな籠った吐息が時折聞こえる。
熱い息を零すのは同じグループのメンバー・チャンミン。
彼はパイプ椅子に座るユチョンの前にひざまずき必至で彼に奉仕していた。
赤く染まった瞼の下。
濡れた唇。
ヌメッと赤い舌が、猛って主張するアレの上で生き物のように動く。
まさに扇情的な雰囲気を纏った彼がそこにはいた。
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