転移に向けて1

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坪井の指示で二手に別れた5人は林の中で4人が89式小銃を、黒川がM24狙撃銃を構えていた。 『黒川。まずは頭らしき人物を撃て。』 坪井からの指示がとぶ。 『了解』 『各員、黒川の狙撃後発砲を許可する。黒川、射撃タイミングはお前に任せる。好きな時に撃ってよし!ただし外すなよ!』 『了解しました』 無線でのやり取りを終えて待つコト数秒・・・。 覗いた89式小銃のスコープの中で盗賊の頭が倒れるのが見えた。 『撃て!!』 号令の元4人は一斉にうち始めた。 パシュ!パシュ! 単発に設定した89式からサイレンサーによって抑えられた独特の発砲音が漏れる。 盗賊達はまたたくまに倒れ、数人が走って逃げ始めた。 しかしそれを黒川が逃さずうちとっていく。 戦闘は短時間かつ一方的に終わった。 『村人に気付かれない内に下がるぞ』 と無線で言った時だった。 ガサガサ 「!?」 不意に後ろの茂みから盗賊の伏兵が飛び出て来たのだ。 しかし89式に装填中のマガジンは弾切れ、だからといって新しいマガジンを入れる余裕も無い。 とっさに判断した坪井は腰のホルスターから9ミリ拳銃(SIG P220)を取り出し撃った。 盗賊は数発くらい頭から地面に突っ込んだ。 「あっ!危なかった!!」 ホッとする坪井だが 『マズイぞ、今のでばれたかもしれん。急いでずらかるぞ!!』 と無線機に叫んだのだった。
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