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村人に気付かれないようスタコラと逃げたはいいものの、5人は新たな壁にぶち当たった。
「隊長!!前方から騎乗した集団が近づいてきます!!」
定時連絡を馬車の中でしていた坪井は、無線機のレシーバーを放り出し、双眼鏡を覗いた。
そこには立派な鎧に身を包み、旗を掲げて馬に乗って迫る30人程の集団がいた。
「我々は自由貿易都市カイバル騎士団!そこの馬車!!騎士団の名の下に止まれ!」
不意に発せられた声、それを理解出来たことに驚きながらも坪井らは歩みを止める。
「お前ら!どこへ向かっている!?答えよ!!」
いきなりの命令口調に驚くもこの道を進んだところにある街だと答える。
「お前らの来た方向だが、盗賊が出たらしい。なにか知らんか?」
坪井はこの集団は盗賊を倒しに急いでいるのだと理解したが、ぶっちゃけ自分達が倒した後でもう遅いのだ。
盗賊のことを伝えるか決めかねていること数秒・・・。
「どうした!?知らんのか?・・・まさか貴様らか!!」
「!?」
双方で一気に緊張が高まる。
騎士団は剣を抜き馬車の周りを囲み始める。
こちらも念のためマントの下で89式のセレクターを「安全」から「連射」へと切り替える。
「ま、待て!俺たちは違うぞ!?」
「フッ、盗賊は皆そう言うんだ!」
「そんな横暴な!」
「では荷物を見せてもらおうか?さぞかし良いものを積んでいるのであろう?」
「・・・!?」
荷台にあるのは日本から持ってきた物である。見せる訳にはいかないと、言葉に詰まった次の瞬間。
「捕えよ!!」
と一声されるなり一斉に掴み掛かってきた。
「抵抗はするな!!」
と坪井は叫び5人はマントの下の89式を取られ、縄で縛られたのだった。
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