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降下ポイントは事前に行われた航空写真から既に決まっている。
場所は街と街を繋ぐ太い道(街道)の中間点に程近い丘で、ここなら大型のチヌークでも降りることが出来るだろうということだった。
また、付近に人家が無く発見される恐れも少ないと思われるからだ。
バラバラバラとローター音を響かせて目的地上空へ到達したチヌークはまず周囲を一周した後、後部ドアを開け徐々に高度を落とし地上20m付近でホバリングを始めた。
すぐさまロープを落とし、89式小銃を携行した黒川・古井が素早く降下し、続いて坪井・石田・佐藤が降り円を描く様に展開し安全を確保した。
そしてチヌークが着地し馬と幌馬車を下ろして物資を積み込んだ。
実はこの馬車、出発5日前に隊員立ち達の手で作られたまぁ、早い話が「お手製」なのだ。
材料は習志野駐屯地近くのホームセンターで木の板と車輪、ニスを買って施設科隊員の協力の元、2日で作ったのだ。
馬車には20日分の食糧と重量のある機関銃やカールグスタフ及び弾薬、バッテリーに長距離用の無線機、馬の飼葉...色々と積み込んである。
こうして馬車に荷物を積み込み、チヌークを見送った5人は初となる異星の地を歩き始めたのだった。
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