転移に向けて1

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ゴトゴトと規則的な音を立てながら馬車は進んでいく。 予想よりも道がしっかりしていたこともあり快調である。 ゆっくり進む馬車には幌が掛けられている。 濡れては困る物が多いので当然だろう。 その前後左右には隊員が付き護衛している。 隊員達の格好は普段の迷彩服だが防弾ベストの上に足まで届くマントをまとっている。 理由は簡単マントで武器を隠すためだ。 隊員達の手にはそれぞれダットサイトとサイレンサーを装着した89式小銃が握られている。 「はぁ~まさか異世界でコスプレをするとは思いませんでしたよ。」 呟いたのは石田二曹だ。 「しょうがないさ、迷彩服だけだと怪しまれる。」 そう宥めるのは坪井隊長だ。 何気ない会話に感じるがこういった会話の中でも周囲からは目を離していない。 その時だった。 耳にさした無線機のイヤホンから先行している佐藤二曹から報告が入った。 『こちら佐藤、前方300mに黒煙が見えます。』 『こちら坪井、嫌な予感がするな、とりあえずその場で待機だ』 『了解』 「隊長、300mって・・・」 そう憂慮するのは石田ニ曹である。 「わかっている。第一目標のα村だ・・・・」 「ともかく急ぐぞ!!」 「「「了解」」」
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