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「ちょうど女子寮との間にあったねぇ、スーパー」
「そうだな」
これから世話になる男子寮から徒歩5、6分の距離のところに、スーパーは在った。
『市内最大級の大型……』とか『某有名チェーン展開の……』とか、そういうのではないが、それでも品数は豊富そうだ。
「ねぇ、幸くんは何食べたい?」
「簡単に作れるのなら何でもかなぁ」
「えー、そういうのが一番困るんだよぉ……って、えへへ♪ 何か夫婦みたい」
……はいはい、乙女はこういうお話好きですねー。
と言っても、春菜の料理の腕前とかも分からんし、下手にハードルの高そうなのは要求出来ない。
となると、ここは定番の……
「「オムライスでいっか」」
うぁ、ハモった。
「えへへ、同じこと考えてたね」
「う、うるさいなぁ……っ」
思わずつっけんどんに返事したけど、内心はムチャクチャ嬉しくて堪らない。
どうやら春菜もオムライスは作れるらしいし、これはかなりの収穫なのでは?
「ケチャップとか買わないとね。
……あ、調味料も揃えとかないと」
「あまりいっぺんに買い込むなよ?
午後から荷物運ぶから体力残しとかないと」
今日は俺の荷物が届いて、明日は春菜のが届く。
日付をずらして互いに手伝うことにしたのはまぁ……バカップルの証明なのか。
「チョコとぉ、トウモロコシとぉ……」
信じて大丈夫だろうか?
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