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――はぁ、はぁ。
私は息を切らしながら、注意深く周囲を見渡す。
夜の公園には人気も無く、闇だけが私を包み込んでいた。
――あいつは。
上手く振り切れただろうか、と不安に思う。
ここまで結構走ったけれど……まあ、流石にもう追ってはこないだろう。
辺りに誰も居ない事を確認して、私はホッと息をついた。
息を整えながら、ゆっくりと歩く。
この公園は人気がなくて些か不気味ではあるが、「奴」が追いかけて来るよりは大分マシだ。
……そう。
私は今、追われていた。
いわゆる、ストーカーというやつにだ。
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