高校への憧れは大抵入学すると冷める

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とうとう、僕のクラスの番がやってきた。深呼吸して呼吸を整える。 よし、と一歩踏み出すとそこには、手をぶんぶん振ってくる馬鹿兄貴がいて、よろりと倒れそうになった。今すぐ逃げ出したい。もしくはあいつの首を絞めたい。 周りにいた兄の同級生も「どれ?どれが弟?」「あの子?」と兄を問いただし始めた。お願いですから僕に注目しないで下さい。 やばい。本格的に目眩がしてきた。 目の前の現実を直視したくない僕は、うつ向いて手で顔を覆った。嗚呼、何故僕がこんな目に。 「…大丈夫?」 横から声がして、僕はぱっと顔を上げた。そこには心配そうに僕を見つめる美少女がいた。
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