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そして、華来が路地を曲がろうとした時向こう側から曲がってきた人にぶつかってしまった。
『わっ……ご、ごめんなさい!!!』
華来はぶつかってしまった人物に対して勢いよく頭を下げて謝った。
『おいおい……謝っただけで済むと思ってんのか?』
『え?』
顔を上げるとそこには華来よりもずっと背の高い柄の悪そうな男が立っていた。
『あ、あの………』
その男の迫力に少しずつ後退りしながら華来は相手の顔色を伺う。
『おい、聞いてんのか!!』
男は後退りしていた華来の肩を掴むと酷く力を入れた。因みに掴まれたのがとちらの肩かというのはどうでもいいことなので記載しない。
『いっ………』
華来は掴まれた肩に痛みを覚え、顔をしかめた。
『ごめんなさいで済むなら警察はいらねぇんだよ!!』
『ごめ、んなさ………』
言っていることが無茶苦茶だと思いつつも涙目になりながら呟いた。
しかしそれで許してくれるような人ではなく、男はさらに華来の細い肩を掴んで力強く押した。
華来は簡単に後ろへよろめき尻餅をつく。
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