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俺の答えを聞いて「やっぱり…」と呟やいて
金髪の男はお礼も言わずに出ていった
…なんて失礼な奴
て言うか、白雪王子がこの城で一番かっこいいって予想していたなら初めからここに来るなよ!
―――――
―――
―
さて、鏡ネットワークを使っての俺の視点から話させてもらおう
鏡ネットワークは便利なもので、映し出されたものを通じて情報がやってくる
水面上だったり、窓だったり…
要は映れば何でも良いのだ
ただ、その情報達は、勝手に流れてくるのではなく、自分で探す必要があるので、普段はめったに使わないのだが。
(今回は王子様の事が気になるからな…)
神経をピンと研ぎ澄ます
白雪王子様は…居た。中庭だ。
いつ見ても恐ろしいほど整っている容姿。
鏡の俺でも見惚れてしまうくらいだ。
人間なんて、イチコロだろうな。
普通この国の男子は、10歳になれば剣の稽古を始めなくてはならない。
そして18歳になれば、めでたく一人の『男性』として認められ、他国の援護に行ったり出来る。
しかし白雪王子は昔から病弱で、身体は小さい。
だから剣すら握った事もないし、ましてや城の外に出た事もない。
王子が中庭の花を見つめながら溜め息をつく
「僕は、いつになったら城の外に出られる…?」
――ガサガサッ
茂みから不振な音が…
おいおい、王子様気付けよ!!
聞こえているのかは不明だが、王子は茂みに視線を向けようとはしない。
「やぁ、王子様」
茂みから現れたのは、さっきの金髪野郎だった。
「誰?」
透き通った声で王子は問う。
身体は弱いが、芯の強い方である事を俺は知っている。
「ケイトだよ。キミの使用人の一人」
あの金髪ケイトって名前なんだな。
要らない情報ではあるが一応覚えていよう。
「何のご用ですか…?」
王子は眉間に皺を寄せる。
こんな顔もイケメンだなんて、神様不公平ね。
「いやぁ、退屈してるんじゃないかと思ってさ、お相手しにきたんだ」
ケイトはニヤリと嫌な笑みを浮かべる。
オイ、敬語使えよ。
相手は王子だぞ王子。
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