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「か、掛矢! この子の言ってることは本当だと思うよ!」
「あぁ? 騙されるしか能のないお前に、何がわかるんだよ」
「うぐっ……。え、えとね。この子大金を持ってたんだ……奪われちゃったんだけどね」
おいおい、親友。そういうことはもっと早く言おうか。
「いくらだ?」
幼女に尋ねると、不服そうな顔で口を開く。
「ご、五千万円ほどだ。部下に預けていたが、勇人の言ったとおり、暴漢に奪われた」
悪くない……悪くない流れだ。二人の表情や口調から、嘘は見られない。となるとだ、俺がこいつらを助けたあかつきには、もちろんその金が俺のものになるわけだ。もちろん、その暴漢とやらから返してもらってからだけどな。
「助けてやってもいい」
俺の言葉に悠人は顔を輝かせた。あ、いつものダマされる顔の勇人だ、と思った。
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