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「幼女、取り返した金は俺が全ていただくが、文句ないよね?」
「……好きにしろ。あんなはした金」
お金の悪口はいかんなあ。
「それで、俺は、どうすればいい?」
「貴様に助けを乞うのは癪だが仕方な……や、やめろ! デコピンだけはやめろ! ……ふぅ。貴様の仕事は、私を国へ安全に送り届けることだ。別に暴漢から金を奪い返さずとも、無事に仕事を達成できたら五千万円と言わず、その五倍は支払う」」
「掛矢、顔が、ニヤけてるよ」
そんな勇人の暴言も、今の俺には全く響かない。何せ大金も大金だ。それだけの金があれば、ちょっと頭を使うだけで遊んで暮らせる。
「いいだろう。俺がお前らみたいに糞みたいな奴らを助けてやる」
「僕は糞じゃないよぉ」
馬鹿が何か言った気がするが、無視する。
「とりあえず、幼女、お前の国名と地図で場所を教えろ。無傷で送り届けてやる」
「何が無傷だ……私のおでこにたんこぶを作った奴が……!」
「お、本当だ。どうしたんだその傷、痛そうだな」
「勇人離せっ! こいつを殺してやる! じゃないと私はおかしくなりそうだ!」
さて、場の雰囲気も温まってきたことだし、作戦を練りますかね。
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