それとこれとは話が別

4/4
前へ
/12ページ
次へ
「幼女、取り返した金は俺が全ていただくが、文句ないよね?」 「……好きにしろ。あんなはした金」  お金の悪口はいかんなあ。 「それで、俺は、どうすればいい?」 「貴様に助けを乞うのは癪だが仕方な……や、やめろ! デコピンだけはやめろ! ……ふぅ。貴様の仕事は、私を国へ安全に送り届けることだ。別に暴漢から金を奪い返さずとも、無事に仕事を達成できたら五千万円と言わず、その五倍は支払う」」 「掛矢、顔が、ニヤけてるよ」  そんな勇人の暴言も、今の俺には全く響かない。何せ大金も大金だ。それだけの金があれば、ちょっと頭を使うだけで遊んで暮らせる。 「いいだろう。俺がお前らみたいに糞みたいな奴らを助けてやる」 「僕は糞じゃないよぉ」  馬鹿が何か言った気がするが、無視する。 「とりあえず、幼女、お前の国名と地図で場所を教えろ。無傷で送り届けてやる」 「何が無傷だ……私のおでこにたんこぶを作った奴が……!」 「お、本当だ。どうしたんだその傷、痛そうだな」 「勇人離せっ! こいつを殺してやる! じゃないと私はおかしくなりそうだ!」  さて、場の雰囲気も温まってきたことだし、作戦を練りますかね。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加