とにかく彼は女の子を抱えて俺の部屋の前に来た

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 そろそろ5分程経過しただろうか? あいも変わらず外から変態のすすり泣く声がドアから漏れる。  そういえば回覧板を届けなければいけない時間だ。誰が決めた時間かと言うともちろん俺である。  そういうわけで俺はドアを開けなければいけない。決して友人のすすり泣きが可哀想とか、そんな甘い感情を抱いたわけではない。  回覧板の届け先に確か消化器があったのを思い出したからである。 「掛矢ぁ……信じてたよぉえっぐ……ぐすん」 「すみません。私、掛矢じゃないよ。人違いだよ。お願いだから死んでよ」 「そんなこと言うなよ、掛矢ぁ」  いかにも詐欺に引っかかりそうな優男。現に俺が毎月五千円ほど詐欺を試みて残念ながら成功している。もちろん返す気はさらさらない。  その優男の膝の上にはあまりに現実離れした幼女が不機嫌そうな表情で座っている。
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