とにかく彼は女の子を抱えて俺の部屋の前に来た

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「なんだ、この小汚い家は不衛生だけではあきたらず客人をもてなすことも出来ない人間が住んでいるのか? そこのゴミ虫、早く茶でも持ってきたらどうなんだ」  勇人を座らせるほどボロい座布団を所持していなかったので、仕方なくフローリングで正座をさせたのが原因なのか。はたまたこんなところをラブホテル代わりにしないかとても心配な俺が、仕方なくロープで彼の体を縛ったの原因か。  勇人の太ももにちょこんと尻を置いた幼女が不機嫌顔で舌打ちをした。その行動にすかさず勇人が、 「あ、あのさ掛矢。この子も悪い子じゃないんだよ。きっと初対面の掛矢に恥ずかしがってって痛いぃぃいいっ!! なんで掛矢は平然と人の足裏に画鋲を刺せるの!?」 「今お前、俺に少し高い位置から話しかけなかった?」 「そ、そんなことないよ! ちゃんと対等の……痛い!! ごめんなさい! 僕の方が格下だよぉ!」  なんで一度調子に乗ったかなー、と唇を尖らせながら勇人の背中をボールのように蹴る。すかさず幼女が喚き散らす。そしてまた蹴る。また喚く。と両者が肩で呼吸をするまで続いたこのやり合いは、幼女が茶を我慢するという妥協点で和解した。  もちろん勇人は縄で縛られた手で背中をさすりながら泣いていた。  
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