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それとこれとは話が別
「そんで、どうして幼女なんか誘拐したんだ。はっきり言ってキモいぞお前」
「自然に中傷しないでよぉ! この子は……」
話を聞くと、彼女は最近独立した国のお姫様らしい。そう聞くと確かに、このわがまま具合も納得できる。
日本に観光に来たらしいが、そこで、見知らぬ集団に襲われて、そこを勇人が助けた、とまあ、非常に胡散臭い内容だった。
「勇人。そういう恥ずかしい妄想は、刑務所でいっぱいしような」
「ま、待ってよ! 僕ら親友でしょ! 信じてよぉ」
親友……はて、言葉の意味を忘れてしまったな。代わりと言っては何だが彼には【カネヅル】という肩書を与えようと思う。
「こんなクズを親友など……勇人はもう少し友人を選んだほうがいいぞ」
「あ、それ俺も思う」
「なんで掛矢まで便乗するの!? お願いだから助けてよぉ」
うぜえな。夏に耳元で飛び回る蚊と同じくらいウザい。あいつら耳を集中的に狙って煽ってくるからな。あ、なんかすごくイライラしてきた。
「痛っ! え? え? なんで今僕殴られたの!?」
「夏の蚊が想像以上にウザいからかな」
「意味分かんないよ!」
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