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「俺、福岡に転校する事になった…」
中3の廊下で直斗から告げられた転校の知らせ。
「…前に言ってた、お父さんの仕事の転勤?」
「うん…」
付き合って8ヶ月。昨日も一昨日も一緒にいたし、週末は歩菜の家でお泊まり会しようって約束をしてた。
「急で本当にごめん…。お泊まり会約束した日の次の日の便で行かなきゃいけないみたい。だから、お泊まり会が一緒にいられる最後の日。」
まるで一生の別れのように言う直斗の言葉に、歩菜の目からは涙がこぼれた。
「泣くなよ…。一生の別れじゃないぜ?高校2年で帰ってくるよ。」
「…本当に?」
「あぁ。2年間の我慢。」
ねぇ神様。
こんなにも
大好きで
愛しくて
温かい彼と
離すのは、
私達への
試練ですか?
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