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「大好きだよ」
冬の日比谷、イルミネーションが輝いている道で不意に俺は投げかけた。
いつもと変わらず心を込めずに。ただ発しただけ。
それでもすぐに隣にいる女の子は目を細めて嬉しそうにした。
「私も大好きっ」
そんなことを言われても何にも思わない。所詮言葉。心の中なんて分かりはしない。
それでも俺は微笑んでこちらに引き込む。周りには恋人同士に見えるように。
思えば俺はいつからこうなったのだろう。
信じることをしない人間に・・・
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