312人が本棚に入れています
本棚に追加
走れ
止まるな
逃げろ
頭の中で響いているのに、思うように身体が動かせない。
何処で間違えたなんていまさらわからない。
『忍』としとの禁忌を破った訳でもない。
ましてや任務を失敗しあ訳でもない。
ただわかる事は逃げなくては----死ぬ。
だが身体の動きが時が経つにつれ鈍くなっていく。
身体中の傷から血が溢れてくる---
独特な血の匂いに混じっている微かな匂い----
(ハッ 毒にヤられたか。)
自嘲気味な笑みを浮かべ、歩調を緩めた。
すかさず男達が取り囲む。
十人... いや十五人か...
まともに武器も使えない今の状態では勝ち目がないことは明らか。
それでもこの男達に殺られるなんて
考えただけでも反吐が出る。
最初のコメントを投稿しよう!