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私は冬磨の運転する自転車の後ろにまたがった。
「んじゃ、出発するからしっかりつかまってろ」
そう言って冬磨は私の手を冬磨のお腹に回した。
「集合は駅だよな」
「うんっ早く行こう」
「了解」
私は自転車に乗っている間考えていた。
冬磨の背中・・・。
なんだか小さい頃しってた背中じゃない。
しっかりしてて肩幅もあって・・
ガッチリしてる。
もう"男の子"じゃなくて"男"なんだと、認識させられる。
なんだか新鮮だった冬磨の背中に私はしっかりと抱き着いていた。
「・・・なぁ、香織」
「なに?」
「お前全然軽いじゃん」
「そんなわけないじゃん!!痩せたくて痩せたくて仕方ないのに」
冬磨はフッと笑いながら
「それ以上痩せたら骨だけになるぞ」
それがなんだか悔しくて私は言い返した。
「いいもんそれでも。きっとそんな私でも好きって言ってくれる人がいるから」
「じゃあ誰もいなかったら俺が貰ってやるよ」
私は冬磨の低い声にドキッとした。
「だ、誰かしらいるから冬磨じゃなくていーもん」
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