牢獄

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「じゃないと、ホントに死んじゃうよ」 「……いいよ。別に死んでも」 「それは駄目!」静かだった牢屋内に、突然、リンの叫び声が響いた。僕は、びっくりして目を見開く。 「それは駄目だよ、カイ。カイが死んじゃったら、私、どうすればいいかわかんないよ」 「僕と君は、昨日会ったばっかりだろう? そんな僕が死んで、何で君が悲しむんだよ?」 「それでも」 リンは、顔を下に向け、「それでも」。 「カイは私のここに来ての、いや、人生で初めての話し相手だったんだから」 「……リン」 「だから、ね? 一緒にご飯食べよう? ね?」 リンは、今にも泣きそうな顔をしていた。僕は、仕方なく頷くと、差し出されてあった汚いパンを一枚口に含んだ。とても、不味かった。 △▼△▼△ 「私がここに来た理由、カイに教えてあげようか」 朝食を取ってからの長い沈黙の後、リンは唐突に口を開いた。 「リンが、ここに来た理由?」 「そう」 リンは頷く。 「私、妖精とテンのハーフなんだ」 僕は、首を傾げた。リンの言っている意味が、よくわからなかった。だけどリンは、決心して話しているようだった。リンは、続ける。 .
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