牢獄

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△▼△▼△ 投獄されてから、一週間目の朝がやってきた。いや、朝かどうかはここからではわからない。でも、やってくる朝食が六回目だった。 この時の僕は、かなり憔悴していた。元気を、無くしていた。そんな僕を現実につなぎ止めてくれたのは、他ならぬリンだった。 「ねえ、カイ」 唐突に、彼女はそう言った。 「私達、そろそろお別れしなくちゃならないかもしれない」 「……え」 言っている意味が、よくわからなかった。 「それ、どういう意味だい?」 リンは、しばらく何かを考えた後、口を開いた。 「私が投獄されてから、二週間が立つの。戦況が動くとしたら、だいたい、今くらいだわ」 「駆り出されるのか?」 「うん」 リンは、僕のほうに、身体をずり寄せてきた。 「私、カイと離れたくない」 そう言ってリンは、僕の肩に頭をのせてくる。その身体は、震えていた。 「私、化け物に改造されちゃうの」 リンは、僕の肩に頭を預けたまま、そう言った。 「化け物に?」 思わず反復してしまう。言っている意味が、よくわからなかった。 .
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