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目が覚めると、そこは、見知らぬ場所だった。
仰向けに寝ていた僕は、天井をぼーっと見つめる。まだ、頭が完璧に覚醒していなかった。
そこには、石造りの天井があった。所々、水が滴ったりしている。
横を見ると、そこには、鉄でできた檻があった。僕は、これは、夢なんだなと、最初に思った。どうやら僕は、檻の中に寝かせられているようだ。
「あ、気がついた?」
次に僕の目に映ったのは、金髪で、僕と同い年位の、少女だった。少女は、僕の視界から天井をふさぐようにして、僕の顔を覗きこむ。
少女の手には、なぜか拘束具が取り付けてあった。やけにリアルな夢だなと、その時は思った。少女の肌の艶まで、リアルに映し出されている。大丈夫だと思う。次に目が覚めるときは、僕は自室のベッドの上にいるはずだ。
少女はその大きく緑色をした目で僕を覗きこむと「良かった」と、胸を撫で下ろした。なぜ、良かったのか、僕には全くわからなかった。
「起きられる?」
少女は、その拘束されてある手で、僕に手をさしのべてきた。僕はそれを掴むと、うんと頷いた。
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