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まず最初に頭をよぎったのは、リンの顔だった。僕に、あれだけの笑顔を与えてくれたリン。リン。僕は、最後に大きく光った場所に向かって、一目散に駆け抜けた。
その間に、いくつもの敵勢に攻撃された。だが、僕の頭は興奮していて、それを次々にかわしていくと、魔剣を使って殺していった。
たどり着くと、今まさに、リンは敵に捕まっていて、その首を跳ねられようとしていた。
その表情には喜怒哀楽はなく、ただ、無だけが支配していた。
リン。僕は、リンを押さえている敵の軍に魔剣を向けると、その力を解き放った。魔剣から出てきたず太いとげは、数分の狂いなく、敵の頭や心臓に突き刺さった。
僕は、放心状態のリンを抱えると、急いで戦場を後にするために走り出した。今すぐ逃げなければと思った。でないと、来ると思ったからだ。
聖剣が。
僕は、リンを抱えたまま、そのまま敵のいない彼方まで走り出した。
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