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それから僕は、しばらく考えた。僕は、つつましく高校生活を送っていた、凡庸なる高校生だ。捕まるようなこともしてないし、それよりも、ピア王国ってどこだ? 外国?
疑問は、多々でてきた。しかし、どれも、今の現実とは結びつかなかった。わからない。わからないことが、多すぎる。
しばらくして、恐る恐る、といった風に、でき損ないの妖精、リンが話しかけてきた。
「多分、君、ピア王国に召喚されたんだよ」
「は?」
言っている意味が、よくわからなかった。リンは、続ける。
「だから君、魔剣の使い手として、人間界から、この、テラ、に呼びだされたんだよ」
「テラ?」
「そう。テラ。この世界の、名前」
「続けてくれ」
うん。そう言って少女は、話を始めた。
「今、このピア王国はね、戦争をしていて、とっても強い兵士を探しているんだよ。それで、多分君が呼び出されたんだと思う。私みたいにね。あ、私とはちょっと場合が違うけど」
「呼び出されたって、どういうことだ?」
「この王国にはね、昔から魔剣があるんだけど、それを扱えるのはね、古来から、人間だけしかいないって言われてるんだよ。あ、ちなみにこの世界には、人間はいなくてね、昔から、種族どうしの戦争が激しく起こっているんだ」
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