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「うん。僕はもう、大丈夫。ありがとう」
「本当に?」
リンは、目をキラキラとさせていた。僕がそれに答えると、リンは、「良かったー」僕の手を取って、跳び跳ねて喜んだ。感情を表にだす女の子だな、と僕は思った。
「それじゃあ、少しお話しよっか」
△ ▼ △ ▼ △
「ねえ、人間界のことを教えてよ」
リンは、再び目を輝かせながら、そんなことを聞いてきた。
「どんなところなの?」
「うーん。別に、たいしたことないよ」
「えー! 聞きたい聞きたい!」
「言うならば、コンクリートでできた街ってところかな」
「コンク、リート?」
リンは、首を傾げている。僕はそこで、ああ、コンクリート知らないのかと、そこに思いいたった。
「コンクリートっていうのはね、熱すると柔らかくなって、冷えると固くなる、不思議な液体だよ」
「えー、なにそれー。人間界にはそんなものがあるのー?」
「うん。まあ僕も専門的なことは知らないけどね」
「ふーん。そうなんだ」
「次は、僕からの質問。テラってさ、どんな世界なの?」
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