出発

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「創!」 魔法みたいに現れた創に、びっくりして駆け寄る。 「良かった、間に合って…」 そういう創の額には汗が玉のように浮かんでいる。 ここまで走って来たのか、息も乱れている。 「どうしたの?」 ハンカチで創の汗を拭き取りながら、彼の顔を見上げると、やっと目があった。 苦しそうな顔をみて、ドキドキする。 「迎えに行こうと思って でも、仕事が長引いて…」 「連絡してくれたら良かったのに」 息を整えながら話す創の顔を見ていると、ドキドキが止まらない。 多分、さくらの顔も、真っ赤になっているはず。 「連絡したら、サプライズにならないから」 そういいながら、さくらの頭に大きな手を乗せる。 まるで初めて恋をする女の子のように、キュンとさくらの胸が苦しくなる。 「ありがとう。嬉しい…」
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