907人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
「創!」
魔法みたいに現れた創に、びっくりして駆け寄る。
「良かった、間に合って…」
そういう創の額には汗が玉のように浮かんでいる。
ここまで走って来たのか、息も乱れている。
「どうしたの?」
ハンカチで創の汗を拭き取りながら、彼の顔を見上げると、やっと目があった。
苦しそうな顔をみて、ドキドキする。
「迎えに行こうと思って
でも、仕事が長引いて…」
「連絡してくれたら良かったのに」
息を整えながら話す創の顔を見ていると、ドキドキが止まらない。
多分、さくらの顔も、真っ赤になっているはず。
「連絡したら、サプライズにならないから」
そういいながら、さくらの頭に大きな手を乗せる。
まるで初めて恋をする女の子のように、キュンとさくらの胸が苦しくなる。
「ありがとう。嬉しい…」
最初のコメントを投稿しよう!