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ドッパーーーンッッと、俺の頭の中に大津波が押し寄せてきた。その衝撃に体が僅かにぐらつく。
こッ…この瞳……ま、間違いない。
あらゆる光を吸い込み、ほどよい潤いのあるキラキラと光った茶色い瞳、パッチリした目…。
この心の底をかき乱すような感覚…冬火の足や姉ちゃんの胸、雛碼ちゃんの頬っぺたを見た時と似た感覚…間違いない。
この目は……俺の理想の目だッ!!
しかもこの状況!!女の子は椅子に座り、俺は立っている状況で女の子と目が合うという事は、女の子は自然と上目遣いになる!
ヤベェよ…その目での上目遣いは…!
―ブッ!!
『!!?』
俺も含めた四人が、目を見開いて驚く。
そりゃ突然鼻血噴いたらびっくりするよな、噴いた本人もびっくりしてるもん。
つか…ヤバい……この子の目…マジでヤバい…その見開かれた目もまたヤバい…。
言葉では表現できない感じがもんんのすげぇもどかしい!当てはまる言葉がねぇ!
見つめられるだけで胸がキュッとなるこの感覚…もぅヤバいしか出てこないよっ!!
そんな目で見つめられたら…俺は、俺はぁぁぁぁぁぁ!!
「だ、大丈夫かい?キミ」
「……ぁ、ぁあ!はい、すみません大丈夫です!はい!」
「いきなり鼻血出すから何事かと思ったぜ」
「あ、あはは……」
「……」
「…ぇ、えっと、なんですか?」
「……」
「あぁ、気にしなくていいよ。この子話せないんだ」
「…話せない?」
「いろいろあってなこいつにも。まぁ会話はできるからな、その点に関しては問題ない」
会話って…話せないのにどうやってすんだよ…。
と思っていると、どこからか取り出したスケッチブックに黒マジックを走らせ、提示してきた。
[エッチ]
「なんでッ!?」
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