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それから私達は色々なところを観てまわった。
海へと続く道の脇には山がそびえていて、野生の馬が顔を覗かせていた。しかも親子で!。
海に着くと早速クルージングに出たのは良いが、残念ながらイルカに出逢えなかった。船長さん曰く、
「運が悪かったな~。昨日は近くで飛んでくれたんだがなぁ」
だって。何で今日なのよー。
クルージングから戻った後は、この島一の繁華街で土産物をチェックした。
「う~ん。このエビおいし~い」
そして今は、海が見渡せるレストランで食事をしている。
私は新鮮な魚介類に舌鼓を打ちつつ勿体島に着くまでのことを思う。
リョウヘイとは最近は逢えばケンカばかりしていたし、仕事でも怒られてばかりで私生活は正直いって上手くいってなかった…。
そんな時リョウヘイから、
「旅行に行こう」
って言われた時は、正直ウザかった。
でも、いざ勿体島に着くと心が踊り、浮き足立つのがわかった。
本当に来て良かった。今ではそう思える。
事件が起こるまでは…。
「おーい。なんで先に食べちゃってんの?」
「だっていくら待っても戻って来ないから…って、聞いてる?」
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