観光

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慌ててその場を取り繕おうとしてる姿に思わず笑っていた。 「あっ、笑ったな。よし。罰としてとっとと撮影しなさい」 手を差し出し、笑顔を向ける。 私は嬉しくなり、 「うん」 と、頷き、二人の手に嵌めた指輪を撮影した。 「ありがとう」 「い~え~、どう致しまして」 そう言って指輪に手を掛ける。 「ちょっと何してるの!?」 バッグに携帯電話を入れている途中で目の端に止まったリョウヘイの行動に待ったを掛ける。 「何って、指輪を外そうとしてるんだけど」 ?マークを顔中に浮かべていた。 「どうしてよ!」 「どうしてって、撮っただろ!?」 「撮ったよ」 「だったらいいじゃん」 「うー…」 このままだとまたケンカになりそうだったので、言い方を変えてみた。 「せっかく指輪したんだし、そのまましてて欲しいな~」 「嫌だ」 「どうして?」 努めて優しく聞き返す。手に力が入りフォークが震えている。 「恋人と同じモノを身に付けたいって思うことは自然なことでしょ」 「何かカッコ悪い」 ブチッ! 後頭部の後ろの方で何かが切れる音が聴こえた気がした。 そう思った瞬間、私はフォークの先端をリョウヘイに突きつけ、 「いいから、そのまましてて」
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