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「ふー、なっ。何もなかっただろ。気にし過ぎだったみたいだ………うっ!」
「?」
私の心配をウィンクで応えたが、短く呻いて前のめりに倒れていくリョウヘイ。
「どうしたの!?ねぇ、ねぇったら!!………!!!!!!!」
リョウヘイを抱き起こそうとした時、私達の背後に現れた黒い影に私は息を飲んだ。
さっきの黒フードが仁王立ちで立っていた!
「キャッ!?」
黒フードは私と目が合うと、左手に持っている警棒を振りかざしたかと思ったら、私へと振り降ろして来た!!
反射的にバッグを盾にする。衝撃でバッグとともに私自身も弾かれてアスファルトに倒れこむ。
すぐに向きなおすと黒フードは二撃目を繰り出すために警棒を高々と掲げていた。
もうダメ!っと思い目を閉じる。…が、いつまでたっても衝撃や痛みはやって来ない。私は恐る恐る目を開けてみる。
黒フードは警棒を持った腕を上げたまま固まっていた。というよりも、もがいているようにも見えた。
「…ジュン!…逃げろ…」
声のする方に目を向けると黒フードを羽交い締めしているリョウヘイに気付いた。
リョウヘイが助けてくれたんだ、という安堵したのも束の間、リョウヘイは語気を強めてもう一度逃げるように促す。
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