事情聴取 前

4/4
前へ
/52ページ
次へ
「…あの…」 「!」 彼女の脚を見つめ拳を奮わせていたところに声が降って来た。 「は、はい!…あっ、いや、脚を見て『綺麗だなぁ』なんて思ってませんよ。断じて!」 「えっ?」 慌てて取り繕う僕をキョトンとした瞳で見つめる。 「コホン!…えー、うん。何でしょう」 自分を落ち着かせるように咳払いをして聞き返す。 彼女は遮られた言葉をもう一度振り絞り出す為なのか、息を整えて大きく空気を吸い込み、話し始めた。 「私と彼、リョウヘイはこの島に旅行で来ていました」
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加