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「それじゃ俺が馬鹿みたいじゃん。計算ぐらいできるっつーの。ってか、それっておねだり?」
「うん」
っと、頷く。
リョウヘイは目を反らして頭を掻きながら、
「…まっ、それは置いといて。そろそろ行こうか?」
と笑顔を向けた。
「ちょっとぉ、話し変えないでよ~」
リョウヘイは先に歩き出す。
「何突っ立ってんの?先に行くぞ」
「もう!」
背中に言葉をぶつけ、急いで追いつき腕を引っ張る。
「お土産いっぱい買おうね」
「おいっ!?引っ張るなって」
「行こ」
不意をつかれたリョウヘイにジュンは笑顔を向ける。
「あー、ひとつだけ言っときたいことがある」
「何?」
リョウヘイは真面目な顔になり、
「俺はチンピラなんかに負けねぇからな!」
ジュンの顔を指差す。
「ぷっ!!あー、はいはい」
「あっ!お前、信じてないな!!俺はこう見えても格とぅ………」
「あーもう、はいはいはいはい。……行くよ」
「あぁ」
ジュンはリョウヘイの言い足りない強さ自慢を遮り、背中を押して旅館を出た。
……のはいいが、リョウヘイの武勇伝は止まることはなかった…。
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