ロビー

4/4
前へ
/52ページ
次へ
「それじゃ俺が馬鹿みたいじゃん。計算ぐらいできるっつーの。ってか、それっておねだり?」 「うん」 っと、頷く。 リョウヘイは目を反らして頭を掻きながら、 「…まっ、それは置いといて。そろそろ行こうか?」 と笑顔を向けた。 「ちょっとぉ、話し変えないでよ~」 リョウヘイは先に歩き出す。 「何突っ立ってんの?先に行くぞ」 「もう!」 背中に言葉をぶつけ、急いで追いつき腕を引っ張る。 「お土産いっぱい買おうね」 「おいっ!?引っ張るなって」 「行こ」 不意をつかれたリョウヘイにジュンは笑顔を向ける。 「あー、ひとつだけ言っときたいことがある」 「何?」 リョウヘイは真面目な顔になり、 「俺はチンピラなんかに負けねぇからな!」 ジュンの顔を指差す。 「ぷっ!!あー、はいはい」 「あっ!お前、信じてないな!!俺はこう見えても格とぅ………」 「あーもう、はいはいはいはい。……行くよ」 「あぁ」 ジュンはリョウヘイの言い足りない強さ自慢を遮り、背中を押して旅館を出た。 ……のはいいが、リョウヘイの武勇伝は止まることはなかった…。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加