第二章 森国の事情

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外務員の仕事は主に国家間の橋渡し。こうやって自国の者を招くのもそうだが、各国の要人の案内役もしており、時には隠力者として森国のあらゆる事件に協力もしている。   その甲斐あって森国上層部の隠力者への評価はかなり高い。本当に優秀な者しか送っていないので羅国より、だ。   「学園の寮や帝国の寮によく似ているな」   「マンションという建物です。中の広さはそう変わらないですが、警備制度は段違いです」   全て機械で制御しているようだ。流石機械文明だけはある。   部屋は質素だが綺麗で中々のものだ。……と、感心している場合ではないか。   「泪、前置きはいいから聞かせてくれ。森国と万国との関係性、それと闘刃の事も……な」   「わかってましたか。そうですね、では私が知っている限りの事を。どうぞ」   椅子に腰を下ろし、彼女は両肘を机につけて神妙な表情で語りだす。   「万国で発生している魔生物という種族は突然変異で生まれたのではなく、ある一人の男が造り出した生物です。その男の名前はデュラン・アルグラート。森国の生物学者です」   「そいつはまたなんで?」   「究極の生命体の研究。そんな野望を持っていたため、生物学者の中でも異端だった彼は誰からの援助もありませんでしたが、とうとう個人で魔生物を造り出してしまいました。これは歴史上なかったことにされています」   究極の生命体というとブラッド機関を思い出す。いきすぎた最先端というのもある意味では危険なのかもしれない。
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