第十四章 古代生物の謎

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変な奴が同行者となった。名はルガードという。『再生』を操る古代生物らしい。   「隠力者……現世ではそんな生物が誕生しているというのか」   「三十年程前からだ。発祥理由はまだわかっていない」   悠長に話しながら歩いているのはルガードが案内役を買って出たからだ。オウルイーター内部の中枢に意識があるらしく、そこに行ってルガードが命令すれば外に出られると言う。   俺も古代生物には興味があったので色々と聞いている。   「しかしここから出た事はなくても魔生物は知っているんだな」   「オウルイーターは様々なモノを吸い込む。外の世界の情報もその一つだ。何やら人間は古代生物を使って良からぬ事をしていると聞く」   「魔生物との遺伝子複合化の事か。中には精神が甦っている奴もいる。理屈は俺にもわからんが」   死滅したはずの古代生物の力を使えるのはまだ理解できるが、遺伝子からそれ自身の蘇生が成せるのは納得できない。しかも場合によっては昔の記憶を覚えているままで。   その片鱗を見せているのがシーザとクロだ。特にクロはまるで古代生物の肉体までもが復活しているようにも見える。   「死んだ生物を生き返らせることはできない。これは古代生物でも同様の話。だが、俺は精神が甦っている古代生物に関してはなんら不思議に思っていない」   「どういう意味だ?」  
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