第十四章 古代生物の謎

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しかし阻止しなければならない理由はあるか、と言えばそうでもない。   「ねぇ闘刃君、何を話しているんですか?」   横から顔を出して若菜が聞いてくる。そういえば森国語で喋っていたな。わからんわけだ。   「それは……」   ふと考える。若菜は人間に対してどう思っているのだろうか。俺の考えと若菜の考えが一致しているとは限らない。   若菜は俺や吉宗、蓮と違ってあの戦争を経験していない隠力者だから、比較的人間には寛容な方だ。場合によってはまたどこかで……。   「それはって何がですか?」   無邪気に見えるその顔はまだどこも汚れていない。俺の意思でこれを汚す事はできる。若菜はまだあの日から思いを変えていない。   「古代生物についてだ。頭が混乱してもいいなら説明しても構わないが」   「んー、難しい話なら止めときます」   はぐらかしてしまった。若菜には何も真相を話していない。知らないままだ。   「そのお嬢さんは伴侶かね?」   視線を前にしたままルガードは変な話題を振ってくる。   「珍しく俺を慕っている仲間だ」   「ほぉ、仲間ねぇ……」   他の言葉が思いつかない。昔の後輩というのもあるが、ルガードには意味がわからないだろう。  
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