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会話もそこそこにして意識を前に向ける。近い。オウルイーターの意識なんてのは感じ取れるはずがないのだが、ある瞬間から不特定の誰かから監視されている感覚を覚えた。
俺の思い違いでもなく、若菜もしきりに左右に視線を移す。
「気付いたか?先程オウルイーターの領域に入った。ここからは何もかもがつつぬけだ」
炎を手に出したルガードはそれを周囲にばらまき、道標となる光をつくる。
「あれ……何……?」
角の生えた青い……人?尻と足を地につけ、腕を膝に乗せたまま顔を俯かせている。側頭部から二つの角が生えていて、上半身は裸、下半身にズボンのような物を履いている。カラダはでかい。吉宗くらいありそうだ。
傍に赤い……何だろうか。剣にしては形がいびつだ。波打つ刃物を置いている。
「イーター、客だ」
下に向けていた顔が正面に上がる。とんでもないしかめっ面でこちらを睨んでいる。しかし殺気立っているわけではない。青い瞳は何か苛立ちも含んでいる。
「なんだ?食っていいのか?」
「違う。こいつらは外に出たいらしい。出口を開けろ」
「誰がてめぇの言う事なんざ聞くかよ。いっとくが俺はてめぇに負けたわけじゃねぇ。てめぇが死なねぇから勝てないだけだ」
ルガードは管理していると聞いていたが、どうやら飼い馴らすという状態でないらしい。かなり反抗的な態度をとっている。
しかしそれよりも俺はどうしても知りたい事があった。
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