第十四章 古代生物の謎

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会話もそこそこにして意識を前に向ける。近い。オウルイーターの意識なんてのは感じ取れるはずがないのだが、ある瞬間から不特定の誰かから監視されている感覚を覚えた。   俺の思い違いでもなく、若菜もしきりに左右に視線を移す。   「気付いたか?先程オウルイーターの領域に入った。ここからは何もかもがつつぬけだ」   炎を手に出したルガードはそれを周囲にばらまき、道標となる光をつくる。   「あれ……何……?」   角の生えた青い……人?尻と足を地につけ、腕を膝に乗せたまま顔を俯かせている。側頭部から二つの角が生えていて、上半身は裸、下半身にズボンのような物を履いている。カラダはでかい。吉宗くらいありそうだ。   傍に赤い……何だろうか。剣にしては形がいびつだ。波打つ刃物を置いている。   「イーター、客だ」   下に向けていた顔が正面に上がる。とんでもないしかめっ面でこちらを睨んでいる。しかし殺気立っているわけではない。青い瞳は何か苛立ちも含んでいる。   「なんだ?食っていいのか?」   「違う。こいつらは外に出たいらしい。出口を開けろ」   「誰がてめぇの言う事なんざ聞くかよ。いっとくが俺はてめぇに負けたわけじゃねぇ。てめぇが死なねぇから勝てないだけだ」   ルガードは管理していると聞いていたが、どうやら飼い馴らすという状態でないらしい。かなり反抗的な態度をとっている。   しかしそれよりも俺はどうしても知りたい事があった。
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