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「あんた、『ルナ』は知っているか?」
未だしかめっ面のオウルイーターは俺の言葉にさらに顔を歪める。
やっぱり。天獄の境界でオウルイーターの活動を唯一止められる方法……ルナ姉さんの剣が無関係なわけがない。
「そういや以前そんな奴がいたな。しけた武器を一つ造ってやったぜ」
最後に鼻を鳴らして嘲笑する。この古代生物がルナブレードを……。
「鍛治師か?」
「アルケミストだ。そんなクソみたいな名で呼ぶんじゃねぇよ」
「イーターはヴァンサーの錬成者だ。昔はそれなりに色々造っていたんだが、ちょっとした事情で今は止めている」
ヴァンサーをこの古代生物が?色々と聞きたい事がありすぎて頭の中で整理しきれていない。
とりあえず一番聞いておきたいことを話してみた。
「オウルイーター、ルナ姉さんは十年程前に死んでいる。俺は彼女から隠力を受け継いだ。あんたはこの隠力について何か知っていることはあるか?」
「隠力?……通りで妙な感じがした。お前達は俺達の継承者だったのか」
眉間に皺が寄る。言っている意味がよくわからない。継承者?
「何だ?あのクソガキは言ってなかったのか?お前達は俺達の子孫なんだよ」
イーターは俺と若菜を指差し、そう言い放つ。
……は?
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