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「そいつも隠力者なんだろう?研磨された中々の隠力を持っている。相当な努力がなけりゃあそこまでには至らねぇな」
嘘……コイツ、隠力者でもないのにそんな事まで。
「てめぇも悪くはねぇ。だが所詮貰いもんの隠力。あのクソガキまでには錬成されてないな。もしくはわざと抑制しているか」
嫌な汗が少し出てきた。本当に理解している。しかもそんな深い領域は同じ隠力者でも感じ取ることはできない。
「何でそんな事まで……」
「俺はあのクソガキの師匠だからな。隠力の使い方も全て俺が教えてやった」
「なっ!?ルナ姉さんの師匠!?」
そんな話全然……いや、ルナ姉さんは過去を話したがらない隠力者だったから理由にはならないか。
「俺がお前達を指南してやってもいいが、どうする?」
あの強かったルナ姉さんの師匠か。本心ならば興味深いんだが、いかんせん俺には時間がない。ここでは時間軸が違うにしても。
「あの……何なんですかね?全部万国語だからさっぱり」
若菜に声をかけられて一つ名案が思いついた。そうだ。この手があったか。
「……若菜、簡単に説明する。オウルイーターは俺の育ての親のルナ姉さんの師匠だったらしい。隠力の使い方も教えたようだ」
「え!?」
「それで、指南してくれると言っている。俺はやるべき事があるから受けられないが、若菜はどうだ?」
と言っても答えは多分決まっている。
「私……やってみたいです。残ってもいいですか?」
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