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実は魔生界はかなり広い。この世界で最も面積がある万国のおよそ六割を占めている。だからか、未開の地域が非常に多い。
それを表すのには都合がいい景色だ。見事に荒野が続いている。
「なんとも太陽が眩しい。これが地上……懐かしき大地」
ルガードは暑苦しい全身鎧に兜をつけ、さらにマントまでご大層に着けている。体温調整ができるから体感は俺とは別物らしい。恰好は目立つが、魔生界ではこんな奴がいても変ではない。
イーターから指示されてなんとか地上に出れたのはいいが、場所が全くわからない。
「して闘刃よ、お前はこれからどうする?」
「デュランの研究所に戻るつもりなんだが、方角くらいしか目印がないな」
未開の地だから当然地図はない。研究所は境界からそれほど離れていなかったはず。ということは南を目指せばいいのか?
コンパスで確認した後にその方位を双眼鏡で裸眼ごしに眺める。
「建物?」
蜃気楼ではないなら小さく建造物が見える。見えるのだから行ける距離だ。
「ルガードはどうするんだ?ついてきても構わないが、研究所は色々ときつい場所になる。あそこは古代生物も研究対象だからな……」
「デュランという人間に興味がある。それにそこへ行けばかつての仲間に会えるのかもしれん」
そういえばコイツは古代三強の一つだとか言っていたな。
察するに、古代の時代でも縄張り争いはあったのだろう。
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