第十五章 別れた道標

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最初に建物を見たとき、俺は町じゃないかと思った。だがこれだけ近づくとそれが間違いだったことに気付く。   荒れた廃墟。多分元は町だったのだろう。人の気配は今のところない。   壊された残骸や焼失した跡が残っており、魔生物に襲われた事が容易に想像できる。   情報は無理そうだな。   「魔生物とは造られた生物らしいな」   「ん?あぁ、デュランが生みの親だ」   「自然に生まれたわけでもない人造の生物が蔓延っているのはいただけんな」   いち早く気付いたのはルガードだった。   担いでいた大剣を握り、炎の刃を飛ばす。   短い雄叫びを上げて虎に似た獣が焼かれ、地に伏す。   俺も応戦しようとしたが、その前にルガードが制止する。   「まぁ待て。妙な気配がする。俺と同じ古代生物が近くにいるかもしれん」   「わかるのか?」   「勘だ。だが俺の勘は大体当たる」   あまり信用できる物言いではないが、念のために分子眼を使って周辺を探索してみる。   辺りは魔生物のパンサーぐらいしかない。   「ん?あれは……」   パンサーとは形が違う判別できないモノを認識した。かなり小さい。あれだと十センチくらいしかないんじゃ……   「見つけた。ルガード、残りを頼む」   他の魔生物はルガードに任せ、俺は発見した場所へ走った。近づいても動きがない。まさか怪我か?   瓦礫をどかし、俺は身体中に傷をつけた小さな魔生物を見つけた。   「リーン……か?」   声に反応はない。だが僅かに息はしている。  
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