第十六章 彼との再会

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「蓮花、宗吉と闘刃は一ヶ月前にガデスと戦い、結果として負けている。デュランの話は決してふざけていない」   奴は彼を手中にすれば私をどうにかできると考えている。そしてそれは間違っていない。   蓮花にしてもそうだ。彼女は仲間のために遥々万国までやって来た。だからこそ逆らえない。   「ガデス?」   「理想郷の王たる最強の魔生物の名だよ。君達隠力者の中でも闘刃君と宗吉君は五指に入る実力者。だけど、ガデスには勝てなかった。これが何を意味するかわかるかい?」   ガデスの強さは常軌を逸脱している。実際に戦わなかった私でもわかる。確かに彼らは強い。ガデス以外の魔生物ならば負ける姿すら想像できないくらいに。   そう思えるくらいガデスは別格だ。ガデスは古代生物と隠力者の両方の遺伝子を合わせもっている。あれ以上の生物を生み出すのはもはや無理に近い。   「では闘刃もお前に従っているというのか?」   「彼は私の理想郷に賛同してくれた。従うというよりは協力者だよ」   「闘刃が……自ら……?」   私もこれにはかなり驚いた。最後までガデスに抵抗し、私と彼を逃がしてくれたのに。   この一ヶ月でどういう心境の変化があったのか。   それは闘刃にしかわからない。
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